
ジャズピアノカリキュラム
(Jazz Piano Curriculum)
ジャズピアノに興味を持ったとき、多くの方が次のような疑問を抱きます。
・ジャズの即興演奏は、どうすればできるようになるのか
・ジャズピアノの伴奏では、何が行われているのか
・どの曲から練習を始めればよいのか
ジャズは、クラシックとは異なり、その場で音楽を形づくっていく性格の強い音楽です。そのため、単に楽譜を弾くだけではなく、メロディ、ハーモニー、リズム、アンサンブルの関係を理解しながら演奏する力が求められます。
ペンテリネア音楽学校では、ジャズピアノをインプロヴィゼーション、コンピング、レパートリーという三つの柱に沿って体系的に学びます。
さらに、それらを支える基礎として、ジャズセオリー・ソルフェージュを取り入れています。
三つの柱は、それぞれが独立した技術ではなく、相互に深く関係しています。即興演奏、伴奏、レパートリーを学ぶ過程で、理論理解と音感をあわせて育てていくことで、実際の演奏の場で使える音楽的判断力を身につけていきます。

ソロ・インプロヴィゼーション (Solo Improvisation)
ジャズを特徴づける要素の一つが即興演奏です。即興とは、単に自由に音を並べることではありません。ジャズにおける即興演奏は、その場でメロディを組み立てていく「即興作曲」と捉えることができます。そのため、重要になるのは次の点です。
・どの音を選ぶか
・どのリズムで弾くか
・フレーズをどのように発展させるか
・頭の中で構想したメロディを瞬時に捉え、演奏へ結びつける技術
ペンテリネアでは、スケールやコードを暗記することを目的とはせず、メロディの基本構造を理解しながら即興演奏を学びます。音の選び方、フレーズの作り方、リズム の扱い方を段階的に学ぶことで、自分の言葉で音楽を形にできる力を育てていきます。

コンピング (Comping)
ジャズピアノにおいて、即興演奏と並ぶ重要な要素がコンピングです。
コンピングとは、ピアノ、ギター、オルガン、キーボードなどの和音楽器 (Polyphonic/Harmonic Instruments)によるジャズ伴奏を指します。ピアニストはリズムセクションの一員として、アンサンブル全体にハーモニーとリズムの土台を与えます。ジャズの伴奏は、単にコードを弾く作業ではありません。
同じコード進行であっても、
・どのタイミングで和音を入れるか
・どのボイシングを選ぶか
・どのようなリズムで弾くか
によって、音楽の印象は大きく変わります。
ペンテリネアでは、リズム、ハーモニー、旋律的要素、アンサンブル内での相互作用を理解しながら、実際の演奏の場で機能するコンピングを学んでいきます。

ジャズレパートリー (Jazz Repertoire)
ジャズを学ぶうえで、レパートリーは実践へ直結する重要な柱です。知っている曲が増えるほど、ジャムセッションや他者との演奏に参加しやすくなり、自信を持って演奏へ入れるようになります。
一曲一曲を通して、コード進行、フォーム、スタイル、リズム、演奏の組み立て方を理解し、それらを実際の演奏の現場で使える力へ結びつけていきます。さらに、スイング、ボサノバ、バラード、ブルースなど、さまざまなスタイルを偏りなく学ぶことで、即興演奏やコンピングを実際の音楽の流れの中で活用できるようになります。
ペンテリネアでは、レベルに応じてレパートリーを広げながら、ジャズスタンダードを通して、ジャズの語法、スタイル感、音楽的判断を実践の中で身につけていきます。

ジャズセオリー・ソルフェージュ (Jazz Theory & Solfege)
ジャズでは、即興演奏が大きな位置を占めます。そのため、他者の演奏を聴き、そこから学ぶ姿勢が欠かせません。そうした学びを支えるために必要となるのが、ソルフェージュ、とりわけイヤートレーニングによって育てられる「音の構造を聴き取る力」と、ジャズセオリー(音楽理論)によって育てられる「音の意味を理解する力」です 。
音を正確に聴き取り、理解へ結びつけるためには、ソルフェージュとセオリーを切り離さず、並行して鍛えていく必要があります。耳で聴いた内容を理論的に理解できれば、フレーズ、ハーモニー、リズム、アンサンブルの動きを立体的に捉えやすくなります。
さらに、リスニング能力が高まることで、ジャズ演奏の要となるインタラクションの質が向上していきます。相手の演奏に反応し、その場で音楽を組み立てていく力は、即興演奏、コンピング、レパートリー学習のすべてに深く関わっています。セオリー&ソルフェージュは、個別の一分野ではなく、ジャズ演奏に求められるあらゆる要素を横断して支える基礎です。